読売新聞 端的にスマートフォン市場について語っている良文章

http://mainichi.jp/select/biz/archive/news/2010/06/25/20100625ddm008020144000c.html


スマートフォン:iPhone4発売 商戦激化 日本勢、攻勢躍起

米アップルの新型スマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)4」が24日、発売された。本体を従来モデルより3ミリ、25%薄くしたほか、画像を鮮明にしハイビジョン動画を撮影できるなど機能を高めた。主要店舗では前夜から行列ができる人気ぶり。アイフォーンシリーズは国内でも着実に浸透しており、新型機で更に攻勢を強める。成長市場のスマートフォンで出遅れが目立つ日本メーカーも反転攻勢に躍起になっている。【弘田恭子、望月麻紀】

 アイフォーンは幅広いソフトが持ち味。24日朝、東京都渋谷区の「ソフトバンク表参道」前で発売を待っていた都内の女子大生(19)は「冷蔵庫の中身を管理するソフトを使いたい」と語った。

 女性誌「アンアン」が6月2日発売号でアイフォーン特集を組んだり、ビックカメラが4月に新宿西口店に女性向け関連商品コーナーを設けるなど、女性への浸透も追い風だ。

 調査会社MM総研によると、09年度の国内スマートフォン出荷台数234万台のうち、アップル製品は169万台に上り、実に72・2%を占めた。

 スマートフォン全体の市場規模も09年度、前年度比2倍に急拡大。10年度は更に330万台への拡大が見込まれる。

 国内携帯電話市場は縮小傾向にあるだけに、国内メーカー各社も新たなスマートフォンを続々投入。高機能をアピールして巻き返しを図っている。

 ソニー・エリクソンは4月、米グーグルのOS(基本ソフト)「アンドロイド」搭載の「エクスペリア」をNTTドコモから発売。高精細カメラや音楽再生機能が充実し、先行予約だけで5万件、5月末までに22万台を売り上げた。

 国内携帯電話シェア1位のシャープは7月までにドコモとKDDIからアンドロイドを搭載したスマートフォン「IS01」などを発売。いずれも5インチの大型液晶とパソコンのようなキーボードを備え、ワンセグや赤外線通信など日本で標準的な機能も盛り込んだ。

 富士通と携帯電話事業を統合する東芝も、ドコモとKDDIからスマートフォンの販売を始めた。厚さ12・9ミリの薄型ながら、スライド式のキーボードを搭載したのが特徴だ。

 ただ、国内スマートフォン市場では、台湾HTCやカナダのリサーチインモーションなども先行。韓国サムスンも今秋にもドコモから新型機の発売を予定しており、競争激化は必至。MM総研の篠崎忠征アナリストは「国内市場だけで持続的成長は難しい。『日本製は高性能』というイメージが通用するうちに、海外に積極的に事業展開すべきだ」と指摘する。