ヴィレッジヴァンガードオンラインに学ぶ! タイミングを逃さないECサイト戦略【MarkeZine Day 2009】

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ヴィレッジヴァンガードオンラインに学ぶ!
タイミングを逃さないECサイト戦略【MarkeZine Day 2009】

ヴィレッジヴァンガードオンラインをアイ・エム・ジェイが運営するにあたり、まずはじめに考えられたのが「何に注目して効果を計測すべきか」を決定することであった。

 基本的に、ECサイトは「訪問」「売上」「購入」の3つのセグメントによって成立している。訪問の回数に対してどれだけ購入があったかという「コンバージョンレート」。1回あたりの訪問がどれだけ売上にインパクトを与えているのかという「1訪問あたりの売上」(実際には、KPIとして抽出することが難しいため、基本的には訪問回数をKPI代わりの指標にする場合も多い)。「1購入あたりの売上」(主にレコメンドエンジン導入の是非を検討する際などに指標となる)。ECサイトにおいては、この3つのKPIを把握し、必ず売上に結びつけて考えることがオーソドックスな手法だ。

 だが、必ずしもこれだけですべての情報が把握できるというわけではなく、ただ単に数値を追うだけでは、施策にもつながりにくい。そのため、訪問数が上がったならば、新規なのかリピーターなのか、自然検索経由か検索連動型広告経由かといったセグメント別に考え、そのうえでどういう人に、どういうタイミングで、商品を提供したらいいのかという施策を考えていくことが重要になってくる。

KPIと関連する施策タイプ(※以降、図版は講演資料より抜粋)

 例えば、メールをテキスト形式からHTML形式に変更したことでサイトへの流入数が3%アップしたとしても、それがコンバージョンにつながっていなければ意味がない。「最終的な売上に貢献したかどうか、ひいては各施策をどのように評価するか」という判断が重要になってくる。

 以前、ヴィレッジヴァンガードオンラインでターゲティングメール配信を実施した際、ダイレクトなコンバージョンはほんの数万円だったということがあったという。しかし、配信後数日経ってからアクセスが上がり、掲載された商品以外の物が売れ、全体的な売上が向上するという傾向があった。つまり、ターゲティングメールは間接的に売上に貢献していたということになる。コンバージョンをKPIに設定してしまうなど間違った評価基準設定してしまっていたら、この施策の効果を発掘できなかっただろう。