モバイルSEOについて

Webビジネス 2009年10月8日 14:00
i-menu 検索結果画面の変更と、今後のモバイル SEO の展望


2009年10月1日に i-menu 検索サービスの検索結果画面構成が刷新された。今回は i-menu 検索サービス結果画面上の表示ルールの変更と、それに伴い行われたと推測されるアルゴリズムの変更について弊社の見解を述べていきたい。

まずは検索結果画面の表示ルールについてだが、以下のように変更している。

(旧)
■サイト名(登録サイト名)
■説明文(タイトルタグ or 本文中を引用 or 登録説明文)

(新)
■タイトル(タイトルタグ or 登録サイト名)
■説明文(meta description 属性 or 本文中 or 登録説明文)
■サイト名(登録サイト名)

表示形式が変わったからといって、新たに注意する点はないが、以前は、当該エンジンにおける説明文部分には meta description 属性ではなく、本文から、説明文を引用しようとするケースが散見された。

的確な説明文の記述は、「アプローチ→クリック→コンバージョン」という一連のユーザーアクションにおいて、クリック率を高める効果が期待できるため非常に重要な項目である。

よって、meta description 属性を記述しているから安心と考えるのではなく、実際に検索を行って自社サイトの説明文部分にきちんと meta description 属性が表示されているかということを確認していただきたい。

説明文部分に meta description 属性が反映されていない場合、本文から引用される場合が多く、検索クエリを含んだ、body タグ内に最もはじめに書かれているテキスト情報が引用される傾向が強い。

よって、ページを構成する際には、一番初めにサイトの概略を簡潔に現す文章を body タグの直下に記述することを推奨する。marqee タグを用いて、文字をテロップのように横に流すことによって、文章が長くなっても一行にまとめることができ、ファーストビューを無駄にせずサイトを運用することが可能だ。

また、marqee タグで囲んだからといって、クローラに認識されないなどの問題は現在のところ起こらない。

次に変更されたと推察されるアルゴリズムについてだが、これまで i-menu 公式サイト検索結果では利用者数や売上高などが評価軸に採用され、順位決定の大きな要素になっていた。しかしながら、今回の変更でテキストマッチ(施策対象ページに施策対象キーワードを有効に挿入しているか否か)が重要視される傾向にある。

たとえば、とある金融系のキーワードで検索すると、背景と同色の画像をサイトのいたるところに設置し、それらすべての alt 属性に対策キーワードを挿入しているサイトが上位に表示される。

このような、いわゆるスパム行為に対するフィルタリング技術は未熟であり、今後こうした検索結果の不整合は改善されていくと考えられる。そのため、現状ではオーソドックスなテキストマッチ対策が重要度を増すのだ。

モバイル検索エンジンの未成熟なスパムフィルタリング技術や乱高下するサイト順位から、明確な SEO 施策を導きだすことができず、悪戦苦闘する企業の Web 担当者の方も多くいらっしゃると思うが、今回の新たな動きはそうした課題を解決する一つのヒントになるのではないだろうか。












自社コンテンツは「iPhone 3GS」ユーザーに届いていますか?

栗原悠(アウンコンサルティング



 耐久消費財を中心としたプロダクトに関する市場動向調査を行うGfK Japanの調査によると、2009年7月に国内主要量販店を対象とした携帯電話端末の販売ランキングで、Appleの「iPhone 3GS」が月間販売台数1位を獲得した。

 筆者自身も友人や知人から「iPhoneに換えました。登録をお願いします」というメールを受け取ることが多くなった。このような調査結果や身近な事象を鑑みると、iPhoneユーザーは着々と増加の一途をたどっていると推察される。

 こうした市況にあって、今回はiPhoneSEOについて触れていきたい。

 iPhoneのホーム画面にはAppleが独自に開発したウェブブラウザ「Safari」のアイコンが置かれている。そこから検索するとデフォルトで「http://www.google.co.jp/」へアクセスする。

 iPhoneはユーザーを、PC版のGoogleへ誘導し、PC版Googleの検索結果を閲覧させ、PC版のhtmlへアクセスさせるといった仕様になっている。

 また、実際に「http://www.google.co.jp/m」へアクセスし、キーワード検索をした場合、検索結果のURLは「http://www.google.co.jp/m/gp#/m /search?uipref=***&channel=gp1&og=gp&source=gp」(***部は検索クエリ)となる。

 URLのみを見れば、モバイル用の検索結果へアクセスしたように見えるが、実際の検索結果に表示されるのはPC版(と同様)のものが表示される。

 iPhoneは携帯電話端末であるのにも関わらず、Googleモバイルの検索結果へはアクセスできない仕様ということになる。3.5インチのマルチタッチディスプレイ(画面解像度:320×480ピクセル)を実装しているため、従来の携帯電話端末よりはPCサイトの閲覧に向いている。

 とはいえ、そもそもPCサイトは17インチ程度の画面を想定した仕様となっているため、iPhoneからサイトを俯瞰する場合は文字が小さく、視認性が悪化する。また、隣接したリンクはクリックしにくい。

 さらに、画面を拡大すると、3.5インチの画面上に表示されるのはサイトの一部となってしまうのでユーザビリティに影響してくるという課題が持ち上がる。

 また、YouTube以外の一般のFlashには対応していないため、iPhoneからアクセスしても、テキストが数行記述されている以外はほとんど真っ白というページが存在してしまう(筆者の確認した限りでは、アパレルブランドのサイトに多く見られる)。

 iPhoneをハンディインターネットデバイスとして位置づけて利用するユーザーもいるなかで、こうした課題から生じるデメリットは大きい。

 言い換えると、iPhoneからのアクセスユーザーに対してはウェブページを通して有意義に情報を伝達できていないサイトが多く存在し、完全包囲網の綻びからビジネスチャンスがこぼれ落ちているという状況にあるサイトは少なくない。

 仮に、iPhoneユーザーも貴社サイトのメインターゲットとなりうるのであれば、httpヘッダー情報のUser Agentに「iPhone」を含むアクセスに対しては、機会損失最少化のためにもPCサイトとモバイルサイトを選択させる画面を表示させ、誘導先を振り分けるアレンジをしてはいかがだろうか。

 SEOを、検索ユーザとの接触機会の最大化を達成するための取組みと捉えた場合、ユーザーの求める的確なコンテンツへ誘導させることは、非常に重要な要素の1つである。コンテンツへアクセス不可能な端末や環境を極力排除することがSEO成功のカギとなる。携帯電話端末のスペックが日進月歩である昨今では、なおさら注目すべきである。